「本が読めない時代に出版はどうなる?」ルビフルシンポジウム2026開催レポート

社会にふりがな(ルビ)を適切に増やすことで、あらゆる人が学びやすく、多文化が共生する「ルビフル」な社会づくりを目指す一般財団法人ルビ財団(所在地:東京都港区、代表理事:伊藤豊、以下ルビ財団)は、2026ねん6がつ2日ふつかに、ルビの日を記念して、これからの出版のあり方について考える「ルビフルシンポジウム2026」を開催したことをお知らせします。

当日のトークセッションでは、出版、書店など多様な分野の実践者が登壇し、「より多くの人に本を届けるための工夫」「その中でのルビやインクルーシブデザインの役割」をテーマに、それぞれの現場での取り組みや課題について議論を交わしました。

◆開催概要

  • イベント名:「本が読めない時代に出版はどうなる?インクルーシブデザインで考える」ルビフルシンポジウム2026
  • 日時:2026ねん6がつ2日ふつか)15:00-18:00
  • 場所:PYNT竹橋(パレスサイド・ビルディング5F)


◆トークセッションの様子

司会の大江麻理子氏の進行のもと、3つのトークセッションを実施しました。


■第一部トークセッション「インクルーシブデザインの考え方と取り組み──空間におけるインクルーシブデザイン」

スピーカー:

  • 西にし いさむ氏(株式会社日建設計 デジタル戦略室・インクルーシブデザインラボ課 1級建築士)
  • 今埜こんの あゆみ氏(株式会社日建設計 設計部所属 1級建築士)
  • 多々納たたの 有希ゆき氏(株式会社日建設計 イノベーションデザインセンター)

モデレーター:

  • 仲川なかがわ 文隆ふみたか(ルビ財団理事)

建築におけるインクルーシブデザインの実践と、ルビ(ふりがな)の普及活動を題材に、「誰もが自然に利用できるデザイン」について意見が交わされました。ルビやインクルーシブデザインは、特定の人のためだけではなく、誰もが状況に応じて恩恵を受けられる環境づくりにつながるものであることや、その実現には当事者の声を取り入れながら、小さな実践を積み重ねていくことの大切さが語られました。 

■第二部トークセッション「書店活性化と”より多くの人が本に出会う場”の再設計」

スピーカー:

  • 渡邉わたなべ いく氏(株式会社有隣堂 社長室デジタルクリエイティブチーム 課長)
  • 篠田しのだ 晃典あきのり氏(株式会社丸善ジュンク堂書店取締役 丸善丸の内本店店長)
  • かじ 直弘なおひろ氏(経済産業省文化創造産業課長)
  • 内沼うちぬま 晋太郎しんたろう 氏(ブック・コーディネーター)

モデレーター:

  • 伊藤いとうゆたか(ルビ財団代表理事)

書店を「本を売る場所」ではなく、多様な本との出会いを生み出す場として、これからどのような役割を果たしていくべきかについて話し合われました。書店を取り巻く環境の変化や課題が共有されるとともに、情報発信やイベント、新たな売り場づくりなど、人と本をつなぐためのさまざまな取り組みが紹介されました。 

■第三部トークセッション「出版・編集の現場から考える “多くの人に読まれるための工夫” 」

スピーカー

  • 柿内かきうち 芳文よしふみ 氏(編集者)
  • もり 哲也てつや 氏(エクスナレッジ編集部部長 )
  • 中村なかむら 真哉しんや 氏(ニュートンプレス 取締役・書籍編集部長 )

モデレーター:

  • 宮崎 みやざき真理子まりこ(ルビ財団理事)

編集者・出版社が総ルビの導入に取り組んだ背景や、その過程での工夫について紹介されました。ルビは読者を限定するものではなく、より多くの人に本の内容を届けるための「橋渡し」であることや、デザインや制作面で試行錯誤を重ねながら、より読みやすい出版物を目指す編集者・出版社の思いが語られました。

◆参加者の声

「ルビについて考えたことがなかったですが、外国ルーツや教育、障がい分野などに関して広くお考えを伺うことができ大変興味深かったです」

「書店の工夫、業界全体の取り組み、国からの支援など、さまざまな視点からの話が聞けて、非常に有意義な時間でした。 」

ルビ財団は今後も、多様な立場の方々との対話や実践を通じて、誰もが暮らしやすい・学びやすい「ルビフル」な社会の実現を目指してまいります。