ふりがながあるから大人も子供も楽しめる「ルビフル本」の選書を公開 ~第一弾として「科学」ジャンルで78冊を紹介~
社会にふりがな(ルビ)を適切に増やすことで、あらゆる人が学びやすく、多文化が共生する社会づくりを目指す一般財団法人ルビ財団(所在地:東京都港区、代表理事:伊藤 豊、以下ルビ財団)は、ふりがながあるから大人も子供も楽しめる「ルビフル本」の選書を公開したことをお知らせします。第一弾として「科学」のジャンルにおいて78冊を紹介しています。
ルビ財団は、ふりがな(ルビ)の普及・活用を促進することにより、国語能力及び知的好奇心・思考力の向上に寄与するとともに、外国ルーツの方々や障害のある人を含むあらゆる人が暮らしやすい多文化共生社会づくりに寄与することを目指しています。2023年5月の設立から1年、ウェブサイトに自動でルビを追加する機能「ルビフルボタン(β版)」の開発・提供やルビのあり方について考えるメディア「ルビフル」の立ち上げ・運用などを行ってきました。
このたび、新たな取組みとして、ふりがな(ルビ)があるから大人も子どもも楽しめる「ルビフル本」の選書を開始します。日本語は、漢字が読めなければ内容を理解しづらく、アルファベットで書かれた英単語と比べて辞書をひくことも難しいことから、読めない漢字の存在が、読書のハードルとなってしまうことがあります。書籍にルビが適切にふられていれば、子どもたちが興味のある分野の大人向けの本を少し背伸びして読んだり、漢字が苦手な人が読書を通じて新たな知識に触れたりすることができると考えます。
第一弾として「科学」ジャンル(ルビ財団選書)を公開いたしました。「科学」ジャンルは、科学先般の読み物、生物、人間、地学、物理化学、数学、環境、SFといったカテゴリーで、大人も楽しめる絵本や児童書から、子どもには少し難しいかもしれない専門書まで選書しています。ルビの量も、総ルビ>ルビ多め>ちょいルビの3段階を独自に評価しています。
ルビフル本 選書「科学」ジャンル78冊
https://rubyful.rubizaidan.jp/rubyful_book_list_kagaku
今後、ジャンルを広げて別の選書シリーズも公開していく予定です。
◆ルビフル本について
ルビ財団の代表理事の伊藤豊が、実際に都内の複数の書店に足を運び、1冊1冊手に取って中身を確認してルビのある本を採集した結果をまとめています。
ルビの含有量についての基準をルビ財団独自に下記の4つの段階にレベル分けしています。ルビフル本は、総ルビ、ルビ多め、ちょいルビの3段階のどれかで、ルビレスは対象外。
総ルビ:すべての漢字にルビがふられている
ルビ多め: 総ルビではないが、意識的に多めにルビがふられている
ちょいルビ: 難読漢字に限らず、ところどころルビがふられる箇所が散見される
ルビレス:ルビがない。あったとしても、難読漢字や一部の人名・地名だけにふられている
人力のアナログな採集結果ですので、すべてを網羅できていません。今後、皆さまと一緒にルビフル本の選書を増やしていきたいと考えています。皆さまが考えるルビフル本をぜひ教えてください。
<ルビフル本 募集フォーム>
https://forms.gle/qM8i627W4BW6yapa9
※自薦他薦問いません。著者・編集者・出版関係者の方の自薦も大歓迎です。事務局で確認の上、リストに追加いたします。
◆たとえばこんな本(「科学」ジャンルでのピックアップ5選)
ミライの授業
著:瀧本 哲史
出版社:講談社
「著者が京都大学の学生に話す講義を中学生向けにアレンジしたものがベースになった本書。大人も子どもも関係なく、未来を生き、未来をつくる世代がともに学ぶための最高の教科書。総ルビではないが、普通の本に比べて、ルビが多めにふられている。」
人間(福音館の科学シリーズ)
著: 加古 里子
出版社:福音館書店
「工学博士である著者の科学絵本シリーズ(「川」「海」「地球」「宇宙」)の集大成的な作品。絵本でありながら科学的知見に基づき正確な記述に徹して、良い意味で読者を子ども扱いしない姿勢に誠実さを感じます。もちろん総ルビ。」
ウルド昆虫記 バッタを倒しにアフリカへ
著: 前野 ウルド 浩太郎
出版社:光文社
「新書としてベストセラーになった本を子どもたちでも読めるようにジュニア版として総ルビかつ語彙解説付きで出版された珍しい画期的な本。大人向けにも面白く、漢字と語彙の意味さえわかれば子どもたちも楽しめる。そんなルビフル本のコンセプトをど真ん中で体現している一冊。」
ふりがな付 山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた
著: 山中 伸弥
出版社:講談社
「ノーベル賞受賞の山中先生が語った自伝を総ルビ版として新書化された本。帯にあるとおり、親子で読んで勉強になる本。研究に限らずどんなことをするにしても必要な人生に関する考え方・価値観も学べる一冊。」
ニュートン別冊 ChatGPTの未来
出版社:ニュートンプレス
「なんとあのニュートンムックNewton別冊シリーズが2023年10月以降の号はすべて総ルビになりました。内容は高度ですが、総ルビだから年齢・学年に関係なく興味・関心を耕して好きなことを知るチャンスがある。読めれば知らない単語も調べやすいはず。」
◆ルビ財団 代表理事・伊藤豊のコメント
ふりがな(ルビ)がたくさん(フル)ある本としてルビフル本の選書を始めました。第1弾として科学ジャンルの本をルビ財団として選書しました。今後、皆さんからの情報をもとに選書したり、出版社・書店・学校などとコラボしてさまざまな切り口で選書シリーズを展開していきたいと考えています。
ルビ財団を設立してちょうど1年が経ちますが、設立当初から選書活動のアイデアはあったのですが、思いのほか時間がかかってしまいました。それは、2つの葛藤と難しさがあったからです。
1つ目の難しさは、どんな本を選書すべきかというルビフル本の定義に関してです。児童書にはルビがふられているものが多いです。ルビがある本を単純に収集すると児童書だらけになります。一方で、中学生以上の大人向けの本になると、急にルビがなくなります。その中には、子どもが背伸びして読んでも面白い本があるはずです。したがって、大人向け(中高生以上向け)の本の中で、ルビが普通よりもふられている本を探してルビフル本として採集していこうと決めました。基準は「大人も子どもも楽しめる」ということ。その結果、児童書の中でも大人も楽しめるような、知的水準の高い本も採集することになりました。
もう1つの難しさは、どうやって選書するのか?という方法に関してです。ルビの含有量のデータはどこにもありません。これまでルビの観点で選書している人は誰もいなかったのです。そこで、自分でやるしかないと思い立ち、書店に行き、一冊一冊を棚から手に取り、ルビの含有量を確認する日々が始まりました。まずは科学ジャンルにしぼりましたが、それでも膨大な量です(個人的にも大好きな書店である丸善丸の内本店さんに主にお世話になりました)
そんな人力作業で採集したので、すべて網羅できていない自信があります。なんであの本が入っていないのか?など疑問やお叱りの声もあるでしょう。ぜひ、皆さんが知っている推しのルビフル本を教えてください。
選書をしてみて気づいたのは、ルビフル本は良書が多いということです。児童書以外でルビがある本は、著者・編集者など作り手の誰かが、「漢字を読むことに困難のある人も含めて広くこの本を読んでほしい」という想いから敢えてルビをつけているはずです。それだけ想いのこもった良い本である可能性が高いのです。
子どもや親世代に限らず、科学についてちょっと学んでみようかなというすべての人に、このルビフル本のリストがお役に立つことを願っています。
◆一般財団法人 ルビ財団 概要
出版物及びデジタルコンテンツにおけるルビの普及・活用を促進することにより、 国語能力及び知的好奇心・思考力の向上に寄与するとともに、外国人や障害のある人を含むあらゆる人の暮らしやすい多文化共生の社会づくりに寄与することを目指しています。
所在地 :東京都港区新橋2-5-2 goodoffice 新橋
設立 :2023年5月24日
代表理事 :伊藤 豊
URL :https://rubizaidan.jp/
コメント失礼いたします
IQ135の小学1年の保護者です
「知的好奇心は高いのに現時点で読める本がない」が高くそびえる壁でした
こちらのHPに辿り着けたとき涙が止まりませんでした
やっとあの子を日々の退屈から救ってあげられる・・・と
ニュートンの総ルビが出ていると分かって早速取り寄せます
専門書をもっともっと総ルビにしていってください
IQが高い子は低学年のうちに義務教育の遅さに絶望し、登校拒否や社会不適合になってしまいやすいといいます
自分で漢和辞書を引くことができる年齢になるまでは総ルビが頼りです